前回まで、診断直後、毎日の食事をどうしたらいいの?と戸惑っていたことを書きました。今日は、その後、どのように新しい食生活を作っていったかについて書きたいと思います。
目次
1. 除去の反対、安全な食物を積み上げていく
私の場合、反応が出る物が多すぎて、除去より、食べられる物をベースに積み上げていく方が早いし安全でした。
- 複数回試して反応が出ない、米、野菜、果物、牛乳(生乳100%のみ)、牛肉、小麦は安全メニュー
- 調味料:塩、砂糖、こしょう、レモン汁、植物性オイル、醤油のみ
- 魚介完全除去 : 生・加熱、養殖・淡水魚・海水魚、養殖・天然等の区別なく全て。魚介だし・エキス、魚醤パウダー、魚油、魚肉すり身、加水蛋白分解物、調味料(アミノ酸)の表示がある加工食品も除去
- 抗体検査陰性でも、複数回症状が出た食品も完全除去(豚肉、鶏肉、黒豆、卵等)
- 久しぶりに食べる、安全か不明な食物:加熱したものを少量テスト、大丈夫であれば通常量まで徐々に増量、安全メニューに昇格
2. 栄養
タンパク質
魚介、豚、鶏、卵もダメなので、タンパク質を何から取るかが問題になりました。
発症前、牛肉はほとんど食べていなかったのですが、脂肪の少ない赤身の牛肉を比較的安く購入できるお店を発見し、食べる頻度を上げました。
牛乳やヨーグルトもタンパク質・カルシウム源として毎日のメニューに入れました。
豆も増やしたかったのですが、黒大豆で症状が出る、豆乳を飲むと声がかれるので、加熱した豆腐を少しメニューに加えるのみにしました。
糖質・炭水化物は少なめにしていたのですが、米や小麦のタンパク質も貴重なので、増量しました。
栄養管理アプリ
無料の栄養アプリに毎食入力しながら、足りない栄養素やカロリーを確認しました。安全メニューだけの食事だと、1日800kcalと推奨されるカロリーの半分にしかならないことが分かりました。 体重も減少したので、一日4食にしたり、食べる量を増やすようにしました。
栄養相談
プロの栄養士さんのアドバイスを聞いた方がよいと思い、通院している大学病院の栄養科に電話してみました。 成人食物アレルギーの栄養指導は保険適用でないので難しいというお返事でした。
自治体の保健所のホームページで、成人向け無料栄養相談を見つけ、予約して行ってみました。アレルギーに理解のある管理栄養士さんが、30分親切に相談に乗って下さいました。
管理栄養士さんのアドバイス
- 魚介の代わりに肉が増えると思われるので、飽和脂肪酸の取り過ぎに注意
- 肉は脂肪分の少ない部位を選んだり、大豆食品等も活用するとよい
- 調理方法も、炒める・揚げるより、蒸す・煮るにするとよい
- 食物繊維を多めに取る
- 魚介に多く含まれるビタミン(D/E/B12)やミネラル(K/Ca/Mg)を他の食品から取れるように工夫する
- 冷凍野菜を活用したり、自然食のお店に行ってみては?
- 本当は主治医に相談できるといい。。。
3.私のボヤキ。。。
素人が、手探りで食生活を大きく変えるのはかなり大変です。成人食物アレルギーの栄養指導も、保険適用になればいいのにと思います。
成人の食物負荷試験も保険適用ではないし。
小児アレルギーで既に出来上がっているよい仕組みやプロセスの中で、成人の食物アレルギーにも使えるものは、Replicateすればよいのにといつも思います。
厚労省の方々、花粉症対策だけでなく、成人の食物アレルギーにも、もっと目を向けて欲しいです。 成人食物アレルギーを診てくれる病院が少なすぎて、激混みです。 アレルギー拠点病院での初診予約が4か月後しか取れないと、アナフィラキシー症状が出ている人は救急搬送か、死んでしまうかもしれません。 激混みでは、医師も質を担保した診療ができないと思います。
地方にお住まいの患者さんの中では、アニサキスアレルギーを診てくれる病院がなく、困っている方も多くおられます。 私の通院している病院にも、遠方から通院している方もいらっしゃいます。
アニサキスアレルギーの患者数は100万人を超えると推測されています。
新聞やテレビで取り上げられ、認知度アップの結果、受診者数の急増もあり得ると思います。 その時、診療できる病院・医師のキャパシティが確保されていないと、医療が機能しなくなるのでは?と心配です。 幅広い病院や診療科で、診断・治療できる体制作りが急務だと思います。
ちょっと愚痴ってしまいました。 明日からは前向きに書きたいと思います。